2008年 10月 4日
第2シードのロディックと第9シードのベルディハ。ビッグサーブを武器にここまで勝ち上がってきた両選手の試合は、予想通りサービスキープの展開になった。この試合、エースの数はロディックが25本、ベルディハが17本。2時間超のフルセットの熱戦は、ベルディハが大健闘。格上のロディック相手に見事なパフォーマンスを見せ、逆転勝ち。念願の決勝進出を果たした。
第1セットは両者譲らずサービスダウンのないままタイブレークへ突入。2つのミニブレークに成功したロディックが先取する。第2セットはベルディハが1ブレークアップの7−5で取り返す。迎えたファイナルセット、ベルディハは第2ゲームでサービスダウン。1ブレークダウンのまま、ロディックのサービングフォーマッチを迎える。
「第2セットでも2度ロディックのサーブをブレークしているのでチャンスは来ると思っていた」。窮地に追い込まれたベルディハが、素晴らしいプレーを見せた。大事な場面でファーストサーブが入らないロディックに対して、リターンエースなどファインショットを連発。このゲームをブレークバックし、一気に息を吹き返す。勢いに乗ったベルディハは第3セットのタイブレークも制し、激闘に終止符を打った。
「とにかく離されずについていくことを意識した。そうすればチャンスは訪れると思った」と試合後のベルディハ。負けたロディックも「今日は彼がよいプレーをした。僕がミスったというよりも彼が良すぎたというべきだろうね」と完敗を認めた。「今日のようなプレーをすれば優勝のチャンスはあると思う」と決勝への抱負を語ったベルディハ。AIGオープンでは初の決勝進出となる。ビッグサーブが炸裂すれば、好調のデルポトロといえども苦戦は免れないだろう。
日本テニス協会広報委員会委員・フリーライター 成瀬悦朗