2008年 10月 3日
初出場の第2シード、ロディックが試合を重ねて調子を上げてきた。「体がうまく動かなかった」という1日の初戦は、世界ランク102位のミナル(チェコ)を相手に3セットともタイブレークにもつれる大接戦。前日の3回戦でも第1セットはタイブレークに持ち込まれた。この日のトロイツキとは今季、2度対戦して1勝1敗。全米直前のワシントンの大会では第1セットを6−0で取りながら逆転負けを喫した、やりにくい相手のはずだったが、終始、主導権を握って簡単に退けた。
「この大会で一番いいプレーができた」とロディックは納得の表情。サービスエースは7本。2〜3回戦の2試合でエース57本を奪った威力、切れはなかったが、足がよく動いて、相手が得意なはずのストローク戦を制した。「ベースラインでうまくプレーできた。ストロークの感じがとても良かった」。前週の北京は有明と比べ、コートが遅めで、ボールは少し軽い感じだった。「合わせるのが難しかったが、それができてきた」。球足の速い有明のコートだけに、適応できればロディックのサーブ、ストロークが威力を発揮するサーフェスだ。
北京の大会で今季3勝目を挙げた。好調を持続して有明に乗り込んで来た。「2回戦は、体調、精神面で、週末までプレーした影響があったが、もう大丈夫」。全米を制した2003年に来日するはずが、直前の故障で欠場した。6年越しで実現した大会出場。第1シードのフェレール(スペイン)が敗れた今、元世界ナンバー1のロディックが主役の座にいるのは間違いない。
谷 祐一