2008年 10月 2日
男女ともベスト8が出そろった。男子は上位4シードが順当に準々決勝に勝ち進んだ。前年覇者で第1シードのダビド・フェレール(スペイン)、準優勝者で第4シードのリシャール・ガスケ(フランス)、AIGオープン初出場の第2シード、アンディ・ロディック(米国)、北京五輪銀メダリストの第3シード、フェルナンド・ゴンサレス(チリ)。そこに、今季大躍進の20歳、第5シードのフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が絡むのだから、優勝争いがますます楽しみになってきた。
第1シードのフェレールは初戦の2回戦、3回戦とも3セットにもつれたが、いずれも最後はきっちり締め、勝負強さを見せている。対するデルポトロは、3回戦で第11シードのヤルコ・ニエミネン(フィンランド)を68分で圧倒した。両選手とも武器はリターン。今大会開幕までの「サービスブレーク率」はデルポトロが34%、フェレールが30%。相手のファーストサーブでのポイント獲得率は、ともに34%の高率で、1位ラファエル・ナダル(スペイン)の35%に迫る。前年覇者と今季すでに4大会を制した新鋭の激突は見逃せない。
女子は第1シードのキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)は、ジュニア時代からのライバル森田あゆみに完勝し、ベスト8に進出。準々決勝では、今シーズン復調著しい31歳、第7シードのタマリネ・タナスガーン(タイ)と対戦する。ドローの下半分は、第2シードのアナベル・メディナガリゲス(スペイン)、第3シードの鄭潔(中国)が消え、混戦模様だ。その中で不気味な存在は3回戦で藤原里華を破ったロシアの17歳、ノーシードのアナスタシア・パブリュチェンコワだ。ウィンブルドンで3回戦に進んだ新鋭は、準々決勝では第5シードのカイア・カネピ(エストニア)に挑む。
日本テニス協会広報委員会委員・フリーライター 秋山英宏