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昨日、錦織 圭(ソニー)が成田に到着しました。
全米オープンベスト16という見事な結果を引っさげての凱旋帰国となり、多くの報道陣が成田に押し寄せました。
まだまだ報道陣慣れしていない錦織選手ですが、なかなか頼もしい発言もありました。来週は日曜からずっと楽しみですね。公式ブログの記事は「錦織圭、成田に凱旋帰国!」で。
9月25日以前の記事は別ページに掲載いたしました。
いよいよ本戦を迎えるAIGオープン。初日のセンターコートには日本勢が続々登場する。第1試合は中村藍子がマルタ・ドマホフスカ(ポーランド)と、第2試合では森田あゆみがマリーナ・エラコビッチ(ニュージーランド)と顔を合わせる。第3試合では添田豪がアメル・デリック(米国)と対戦する。第5試合は注目の日本人対決。「ミスターAIGオープン」鈴木貴男が、20歳の誕生日を迎えたばかりの杉田祐一を迎え撃つ。第6試合では、ベテラン岩渕聡が韓国の英雄・李亨沢と対戦する。
なお、本戦と並行して女子シングルス予選決勝が行われ、不田涼子が孫甜甜(中国)と、瀬間友里加はバニア・キング(米国)と対戦。16歳の奈良くるみはフェド杯代表・藤原里華と本戦の切符を懸けて対戦する。
肌寒い天候の中、行われた予選2日目。男子シングルスでは、近藤大生が予選第4シードのブレンダン・エバンス(米国)をファイナルセットタイブレークで破り、02年以来の本戦出場を決めた。井藤祐一は岩見亮の怪我による途中棄権で勝利。本戦初出場を決めた。一方、本村剛一は予選第5シードのマーティン・スレイナー(豪州)にストレート負け。松井俊英も予選第1シードのダナイ・ウドムチョク(タイ)相手にフルセットに持ち込む健闘を見せたものの、惜敗した。
有明コロシアムは「AIG SUNDAY」で沸いた。昨年に続く“前夜祭”には、今回、全米オープンで16強入りを果たした錦織圭や、現役復帰したクルム伊達公子らが顔を見せるとあって、昨年の倍以上となる9,455人がスタンドを埋めた。
第1部は錦織と添田豪の公開練習。6ゲームの試合形式で行われ、ともに得意のストローク合戦を披露した。途中で観客のリクエストに応じるように、添田が浅いボールを出すと、錦織が「エア・ケイ」を決めて応えるなどファンサービスも見せながらも、日本のトップ選手にふさわしいストロークの応酬でスタンドを唸らせた。
快晴に恵まれた東京・有明テニスの森公園で予選が開始された。女子シングルス予選では、16歳の奈良くるみが予選第2シードの袁梦(中国)と対戦。奈良は、昨年のこの大会の本戦1回戦で杉山愛を破った袁梦を相手に堂々たるテニスを展開。ストレートで勝利し2回戦に進出した。
錦織圭とクルム伊達公子がそれぞれ出席して、男女の本戦シングルスの組み合わせ抽選が行われた。注目の錦織はビッグサーバーのロバート・ケンドリック(米国、102位)と顔を合わせる。本戦ダイレクトインを果たした添田豪は、アメル・デリック(米国、134位)と対戦。
28日に行われるプレ開幕イベント、「AIGサンデー」の車いすテニスエキシビションマッチに出場を予定していました国枝慎吾選手は、北京パラリンピックで痛めた右ひじが完治せず、残念ながら、プレーできない状態です。そこで、国枝選手と斎田悟司選手によるエキシビションマッチは中止とさせていただきます。両選手の対戦を楽しみにされていたファンの皆様にお詫び致します。
なお、AIGサンデーの男子ダブルスに、鈴木貴男選手、岩渕聡選手とともにダビド・フェレール選手とトミー・ロブレド選手の出場が決定しました。皆様、お楽しみに!
雨でコロシアムは屋根を閉め、一部の試合はナショナル・トレーニングセンターに会場を移して行われた。女子では、3度目の出場となる森田あゆみが、今夏の北京五輪に続く対戦となったマリーナ・エラコビッチ(ニュージーランド)をストレートで破り、初めて2回戦に勝ち上がった。06年準優勝の中村藍子は昨年に続く初戦敗退。男子ではベテランの鈴木貴男が20歳の杉田祐一との日本人対決を制して2回戦に進んだが、添田豪、岩渕聡は敗れた。また、積み残されていた女子予選では、不田涼子が初の本選出場を決定。藤原里華も16歳の奈良くるみを下して3年ぶりの本選出場を決めた。
第2試合は、森田あゆみの初戦となった。相手は2歳年上、今年急激にランキングを上げ、ライバルとして一歩先を歩む、53位のエラコビッチ。男性的とも言えるダイナミックな動きで、ネットプレーも交えたオールラウンドプレーを展開する選手だ。森田は、東レ・パンパシフィックで19位(当時)のサバイ(ハンガリー)を破った力を再び有明で示せるか。屋根で雨をさえぎってもなお冷気が足にしみる中、フレッシュな2人の試合に熱い視線が集まった。
ATPランキング134位のデリックに対して、添田は130位。ともに速いサーブを武器とする似たもの同士の戦い。「ホームなので観客の声援が力になる。積極的にプレーしてリードしていけば乗っていけるし、相手は守りがうまくないので主導権を早くつかむことだけを考えていた」。試合前の狙いどおり、添田は第1セット第2ゲーム、15−40とブレークのチャンスをつかむ。ところが、ここ一番でビッグサーブを駆使するデリックの前に、あと1ポイントが奪えない。
コースを突くサーブ、巧みなボレー、プレッシャーをかけるリターンダッシュ。今月20日に32歳になった鈴木が、得意とする有明のセンターコートで若い杉田に力の差を見せつけた。ストローク戦からリズムを作りたかった杉田に対して、鈴木は第1セットの序盤、徹底してネットに出て、ほとんど打ち合いに持ち込ませなかった…
前週の韓国オープンで1年2カ月ぶりにツアー復帰。予選でうれしい1勝を挙げた不田涼子が、このAIGオープンでは勝ち星を3つ重ね、初の本戦入りを果たした。右ひざのケガで2度の手術。故障の前と今で最も大きく変わったのは「気持ち」だという。高い集中力と冷静さを保ち、積極的なプレーで確実にポイントを重ねていく。
今大会注目度ナンバー1の錦織圭が有明コロシアム第3試合に登場、米国のロバート・ケンドリックと対戦する。ランキングはケンドリックの102位に対して錦織は85位。ここは難なく突破したいところだが、長身からのビッグサーブを得意とする選手だけに侮れない。昨年果たせなかった1回戦突破を当面の目標に掲げている錦織がホームでどんなプレーを見せるのか。日本中の注目が集まる中、大声援を背に国内初勝利を飾ってくれると期待しよう。
※ 天候不良が予想されるため、一部の試合は別会場で行われる予定です。有明コロシアム(有明テニスの森公園)以外の試合は、施設の都合により、観戦、取材はできません。ご了承ください。
2日連続で雨にたたられ、一部の試合をナショナルトレーニングセンターと慶大室内コートに移して行われた。この日の注目は男子の錦織圭と女子のクルム伊達公子。錦織は全米16強入りを果たした後の凱旋試合をフルセットの末にものにして、出場2度目で大会初勝利を飾った。37歳での現役復帰で話題を集めるクルム伊達は、第6シードのシャハー・ピアー(イスラエル)にストレートで敗れ、12年ぶりのツアー復帰戦は黒星となった。
このほかの日本人選手は、女子でともに予選勝ち上がりの藤原里華と不田涼子が2回戦進出。男子の近藤大生、井藤祐一、伊藤竜馬は敗れた。シード勢が登場した女子では、第1シードのキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)は勝ち上がったが、第3シードの鄭潔(中国)は敗れた。
時を超えて、AIGオープンに“伝説”が帰ってきた。若手に刺激を与えるための復帰から、自分の楽しみのために目的を広げて、クルム伊達公子が主催者推薦枠で登場した。WTA公式戦の本選出場は11年半ぶり。1回戦の相手は第6シード、「彼女が世界4位のとき私はまだ子どもだった。伝説の選手とプレーできてエキサイティング」と言う21歳のピアー。
火曜日にもかかわらずスタンドを埋めた観客は5600人余り。NHK、民放全6局のテレビカメラがそろい、記者、カメラマンを合わせて約120人の取材陣が有明に詰めかけた凱旋試合。1年ぶりの日本でのプレーに、「試合前は負けることばかり考えていて、やりたくない気持ちもあった」と緊張していた錦織だったが、試合が始まると「楽しくプレーできた」と得意の「エア・ケイ」も披露して、大会初勝利に会心の笑顔を浮かべた。
国内初勝利を飾り2回戦に駒を進めた錦織圭が、センターコート第3試合で第16シードのギリェルモ・ガルシアロペス(スペイン)と対戦する。両者は初対戦。ATPランキングでは、錦織の85位に対してガルシアロペスは62位だが、乗り越えられない壁ではないだろう。1回戦突破後の会見では「ストロークをしっかり打ってくる選手なので、打ち負けないようにしたい」と錦織。勢いに乗って18歳の“王子”が3回戦進出を狙う。
いよいよ男子もシード選手が登場。昨年の覇者、第1シードのダビド・フェレール(スペイン)、第2シードのアンディ・ロディック(米国)、第3シードで大会初出場のフェルナンド・ゴンサレス(チリ)、昨年は決勝で涙をのんだ第4シードのリシャール・ガスケ(フランス)と注目選手が目白押しだが、なかでも、見逃せないのはAIGオープン初登場のロディックだ。有明の速いサーフェスはビッグサーバーに有利なだけに、サービスエースの山を築くだろう。
日本勢では、鈴木貴男が第15シード、イタリアのシモーネ・ボレリ(45位)と対戦。女子ダブルスではクルム伊達公子、藤原里華組がペトラ・チェトコフスカ、ルーシー・サファロバのチェコペアと、波形純理、米村明子組がイベタ・ベネソバ(チェコ)、シャハー・ピアー(イスラエル)組と顔を合わせる。
※ 天候不良が予想されるため、一部の試合は別会場で行われる予定です。有明コロシアム(有明テニスの森公園)以外の試合は、施設の都合により、観戦、取材はできません。ご了承ください。
コロシアムは大会3日目の第2試合になってようやく屋根が開いた。一部の試合は前日と同様にナショナルトレーニングセンターと慶大インドアコートで実施。男子では、錦織圭が第16シードのギリェルモ・ガルシアロペス(スペイン)、鈴木貴男も第15シードのシモーネ・ボレリ(イタリア)と、そろってシード勢を破り3回戦に進出した。日本選手2人が3回戦に進んだのは1980年以来28年ぶりの快挙だ。前回覇者の第1シード、ダビド・フェレール(スペイン)、同準優勝の第4シード、リシャール・ガスケ(フランス)、初出場の第2シード、アンディ・ロディック(米国)、第3シードのフェルナンド・ゴンサレス(チリ)も3回戦に勝ち上がった。女子ダブルスでは、クルム伊達公子、藤原里華組と波形純理、米村明子組が準々決勝に進出した。
前週の北京でも第1シードで臨みながら、2回戦でストレート負けしているフェレール。有明の初戦でも、左利きのレビンのスライスサーブに苦しめられた。プレーに本来の切れも見られなかった。大事なポイントで凡ミスを重ね、第2セットは第1ゲームを簡単に落とすと、そのまま3−6で押し切られた。世界101位を相手に納得のいくプレーではなかったはずだ。「先週より調子はいい。大切なのは初戦に勝つことだ」。記者会見でフェレールは、自分を納得させるように言葉を継いだ。
ATPランキングこそ格下の錦織だが、赤丸急上昇中の若武者には一切関係なかった。錦織は、フェデラーも一目置くその才能を遺憾なく発揮していく。粘り強いストロークが持ち味のガルシアロペスだが、錦織の前ではその武器さえかすんでしまう。それほど彼のプレーは多彩であり、配球は18歳とは思えぬほど巧みだった。
朝方まで残った雨のため、ナショナルトレーニングセンターに移動して行われた鈴木貴男の2回戦は、両選手が一歩も引かない緊迫した試合になった。しかも、ちょっとした仕草やアイコンタクトに、お互いを尊重する気持ちがにじみ出る。ともにクラウディオ・ピストレジコーチの指導を受ける鈴木とボレリ。ランキングは離れているが、ツアーの戦場で戦う仲間同士だ。だからこそ、鈴木自身が言うように、これは「男と男の勝負」だった。
前回準優勝のガスケが、危なげないプレーで順当に3回戦に進んだ。試合時間1時間23分。第1セットこそサービスブレークしたすぐ後に2度、ブレークバックを許す展開だったが、第2セットはサービスエース4本など要所で効果的なサーブが入って、スラナーをあっさり退けた。
男子3回戦で注目カード、錦織圭と前回準優勝者で世界ランキング13位の第4シード、リシャール・ガスケ(フランス)の対戦は、センターコートの第3試合に入った。錦織が2回戦のマッチポイントで、ベースラインからのドロップショットを決めたように、ともに多彩な技を誇り、相手の意表を突くプレーが持ち味でもある。18歳の錦織と22歳のガスケ。ジュニア時代からその才能を評価されてきた2人の「天才」の一戦は、今のツアー大会で最も見てみたい対戦の一つ。それが有明で実現した。
初めて好天に恵まれた大会4日目。錦織圭が登場したコロシアム第3試合の途中、一時、当日券の販売が中断されるほどのファンが詰めかけ、観客数は第4日としては過去最多となる1万3536人を記録した。男子シングルス3回戦では、錦織が第3シードのリシャール・ガスケ(フランス)に、鈴木貴男は第1シードのダビド・フェレール(スペイン)にともに敗れ、準々決勝進出を逃した。
女子シングルス2回戦でも森田あゆみ、藤原里華、不田涼子が敗れて、男女シングルスの日本勢は姿を消した。男女のベスト8が決まり、男子は上位シード選手が勝ち上がる中で、トミー・ロブレド(スペイン)、ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)、ミハイル・ユージニー(ロシア)の第6〜8シードが敗退。女子では第2シードのアナベル・メディナガリゲス(スペイン)がサマンサ・ストーサー(豪州)にストレートで敗れた。女子ダブルスでは、森田、中村藍子組がクルム伊達公子、藤原組との日本ペア対決を制して、準決勝に進んだ。
18歳同士の対決は、ランキングの差がそのまま表れる結果となった。森田と第1シードのウォズニアッキ(デンマーク)は、ジュニア時代から何度も対戦してきたライバル同士。しかし、現在のランキングは森田の136位に対し、ウォズニアッキは16位。ツアーでの対戦は初めての両選手だが、森田はランキングの差を少しでも埋めたかったに違いない。
06年大会で当時の世界ナンバー1、ロジャー・フェデラー(スイス)を相手にフルセットの死闘を演じ、観客を熱狂させたミスターAIGオープン。今回、挑んだ相手も第1シードのダビド・フェレール(スペイン)。声援をバックに鈴木が素晴らしいパフォーマンスを披露。一進一退の好ゲームになった。
この大会で初めて見る、ガチガチに緊張した錦織だった。相手サーブの第1ゲームではまともにリターンが返らず、第2ゲームではサーブを打った後に手を滑らせて、ラケットを落としてしまった。22分で終わった第1セットは7ゲーム戦って、取れたのはわずか12ポイント。緊張の理由を錦織は「(相手を)尊敬し過ぎていた」と話した。
男女ともベスト8が出そろった。男子は上位4シードが順当に準々決勝に勝ち進んだ。前年覇者で第1シードのダビド・フェレール(スペイン)、準優勝者で第4シードのリシャール・ガスケ(フランス)、AIGオープン初出場の第2シード、アンディ・ロディック(米国)、北京五輪銀メダリストの第3シード、フェルナンド・ゴンサレス(チリ)。そこに、今季大躍進の20歳、第5シードのフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が絡むのだから、優勝争いがますます楽しみになってきた。
前日に続く晴天の下で、世界のトップ選手が熱い戦いを展開。この日も大勢の観客が詰めかけ、2番コートで行われた女子ダブルス準決勝では、特設スタンドに入れないファンが、席が空くのを待って長蛇の列を作った。男子シングルスでは、第5シードのフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が、第1シードのダビド・フェレール(スペイン)をストレートで破り、初の4強進出。準決勝で第4シードのリシャール・ガスケ(フランス)と対戦する。準決勝のもう1試合は、第2シードのアンディ・ロディック(米国)と第9シードのトーマス・ベルディハ(チェコ)の顔合わせとなった。女子シングルスでは、キャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)らシード勢とともにラッキールーザー(予選敗退者からの繰り上がり出場)のヤルミラ・ガイドソバ(スロバキア)が準決勝に勝ち上がった。女子ダブルスでは、森田あゆみ、中村藍子組が日本人ペアとして6年ぶりの決勝進出を果たした。
前年覇者で第1シードのフェレールと、第5シードの新鋭デルポトロ。この準々決勝は注目の一戦だった。しかし、立ち上がりからフェレールの調子が上がらない。第1ゲームは40−0から挽回を許し、サービスダウン。その後もミスが目立ち、リズムに乗れない。このセットは全46ポイントのうち、わずか17ポイントしかものにできなかった。
昨日、錦織相手に格の違いを見せつけたガスケが準々決勝第2試合に登場、03年の覇者シュットラーと対戦した。3度目の対戦となる両者。昨年のAIGオープン3回戦ではガスケが勝ったが、先週の中国オープンではシュットラーが雪辱を果たしている。試合はガスケが終始、主導権を握る。
初出場の第2シード、ロディックが試合を重ねて調子を上げてきた。「体がうまく動かなかった」という1日の初戦は、世界ランク102位のミナル(チェコ)を相手に3セットともタイブレークにもつれる大接戦。前日の3回戦でも第1セットはタイブレークに持ち込まれた。この日のトロイツキとは今季、2度対戦して1勝1敗。
大金星だった。第2シードのキング/孫に7-5,6-2。日本人ペアの決勝進出は02年の浅越しのぶ/宮城ナナ以来6年ぶりとなる。試合後の会見で「相手に仕掛けられる前に仕掛けようと思った」と森田。「ミスを恐れることなく積極的にプレーするよう心掛けた」と中村。攻撃的なプレーへの意識が2人を決勝へ導いた。
男女シングルスと男子ダブルスは準決勝、女子ダブルスは決勝を迎える。一番の注目は男子シングルス準決勝、20歳で12位のフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)と22歳で13位のリシャール・ガスケ(フランス)、次の時代の世界トップを担う両選手の激突だ。対戦成績は1勝1敗。7月のシュツットガルト(ドイツ、クレー)の決勝でデルポトロが勝ち、出場4大会連続優勝と全米ベスト8の第一歩になった。豪打と堅実さのデルポトロ、切れ味と柔らかさのガスケ。ラリーの妙を堪能したい。
今日も有明テニスの森公園に気持ちのよい秋風が吹き抜けた。大会もいよいよ大詰め。この日は男女シングルスの準決勝が行われ、男子決勝は第5シードのフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)と第9シードのトーマス・ベルディハ(チェコ)の顔合わせとなった。女子シングルスでは、第1シードのキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)と第5シードのカイア・カネピ(エストニア)が決勝に駒を進めた。女子ダブルス決勝では森田あゆみ、中村藍子組が日本人ペアとして6年ぶりの優勝をねらったが、ジル・クレーバス(米国)、マリーナ・エラコビッチ(ニュージーランド)組に逆転で敗れた。また、男子ダブルスでは、第1シードのルーカス・ドロウヒー(チェコ)、リーンダー・パエス(インド)組とミハイル・ユージニー(ロシア)、ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)組が決勝進出を決めた。
第1試合は、第5シードのカネピと第8シードのウォズニアクの対戦。試合は序盤の第1ゲームをブレークしたカネピが6−4で第1セットを先取。第2セットは先にサービスダウンしたものの、逆転して6−4。ストレート勝ちで決勝に駒を進めた。「失うものはないと思って、ここまでリラックスしてプレーできているのが、いい結果につながっているのだと思う」とカネピ。
1回戦こそ苦戦したものの2回戦以降は調子を取り戻した第1シードのウォズニアッキが第2試合に登場。ラッキールーザーから勝ち上がってきたガイドソバとの戦いは、激しい打ち合いとなった。先にブレークしたのはガイドソバ。「最近の試合ではいつも先にゲームを破られる。今回もまたやってしまった」と一瞬、気落ちしそうになったウォズニアッキだが、第8ゲームでブレークバックし、逆転で第1セットを先取する。
2時間4分の試合は、数字以上のクロスゲームだった。今年の大会のベストマッチとして記憶されるかもしれない。1メートル98の長身から打ち下ろすビッグサーブと力強いストロークのデルポトロ。多彩な技術を駆使し、意表を突くプレーで相手を翻弄するガスケ。2人が持ち味を存分に発揮した最終セットは息詰まる展開となって、ゲームの流れが両者の間を行き来した。
第2シードのロディックと第9シードのベルディハ。ビッグサーブを武器にここまで勝ち上がってきた両選手の試合は、予想通りサービスキープの展開になった。この試合、エースの数はロディックが25本、ベルディハが17本。2時間超のフルセットの熱戦は、ベルディハが大健闘。格上のロディック相手に見事なパフォーマンスを見せ、逆転勝ち。念願の決勝進出を果たした。
中村の「噛み合わない感じ」という言葉が、この試合の内容をよく言い表している。準決勝まではスピードのあるパスと、巧みにコントロールされた突き球で相手ペアを崩した森田と中村だが、この日はそれが通用しない。相手に隙がなかったわけではない。エラコビッチもクレーバスも中盤まではプレーが不安定で、ボレーのイージーミスも目立った。森田の思い切りのいい突き球も効いていた。
男子シングルス決勝は、世界ランク12位のフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)と世界27位のトーマス・ベルディハ(チェコ)の対決となった。20歳のデルポトロは7月以降に出場した5大会で、全米オープンこそ8強にとどまったが、4大会で優勝を果たしている。対する23歳のベルディハも昨年8月に世界8位までランキングを上げた実力者。
序盤は雨にたたられたが、後半は好天が続き、大会は無事、閉幕を迎えた。この日は男女シングルスの決勝が行われ、男子は第9シードのトーマス・ベルディハ(チェコ)が第5シードのフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)を破り、初優勝。女子は第1シードのキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が第5シードのカイア・カネピ(エストニア)を下し、大会3度目の出場で初の栄冠を手にした。男子ダブルスでは、ノーシードのミハイル・ユージニー(ロシア)、ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)組が第1シードのルーカス・ドロウヒー(チェコ)、リーンダー・パエス(インド)組をストレートで破り、ペアとして2度目のツアー優勝を飾った。
準決勝までの3試合は出足が悪く「スロースターター」だったウォズニアッキが、決勝では見事な先制攻撃を見せた。第1ゲームのカネピのサーブでは、相手ミスにつけこみ、最後は「技あり」のロブでブレーク。第3ゲームもデュースの末に、ネットに出てきたカネピをバックハンドで抜いて連続のブレーク。決勝の硬さの抜けないカネピのミスにつけこんで、37分であっさり第1セットを先取した。
カネピのファーストサーブが入り、ストロークも深く決まり出した第2セットは、逆に2度のブレークを許して落としたが、第3セットでしっかり流れを引き戻すのが、第1シードたる所以。「相手に高い打点で打たれる球は出さず、ストロークをもっと速いタイミングで打つ」とギアを一段上げたプレーを展開。相手強打は粘り強く返球し、甘い球が返ってきたら鋭いショットでエースを奪う。第2、第4ゲームの相手サーブを、ともにデュースの末に破って5ゲームを連取し、勝負を決めた。
谷祐一
準決勝でガスケとの接戦を制し勝ち上がってきたデルポトロと、ロディックを逆転で下したベルディハ。デルポトロ198cm、ベルディハ195cmと長身を利したスケールの大きなテニスが持ち味の両選手。世界トップクラスのテニスを見ようと、有明コロシアムに詰め掛けた観客の期待が高まった。ところが、コンディションに変調をきたしたデルポトロは著しくプレーに精彩を欠いてしまう。一方、準決勝で逆転勝ちした勢いをそのままに決勝に乗り込んだベルディハ。あまりにも好対照な2人のプレーがスコアにそのまま反映する結果となった。
立ち上がりは互角だった。第3ゲームまではキープが続く。ところが第4ゲームあたりから主導権がベルディハに大きく傾き始める。ベルディハはリターンゲームでも好プレーを連発。ベースラインを深くついたリターンからデルポトロの浅い返球を逃さずハードヒット。このパターンが何度も決まり、第4、第6ゲームを連続でブレークし、第1セットを6−1で先取。23分というあまりにもあっけない展開に、スタンドからは「デルポトロ、頑張れー!」の声援が起きた。
本戦後の記事を掲載します。