2008年 9月29日


コースを突くサーブ、巧みなボレー、プレッシャーをかけるリターンダッシュ。今月20日に32歳になった鈴木が、得意とする有明のセンターコートで若い杉田に力の差を見せつけた。
ストローク戦からリズムを作りたかった杉田に対して、鈴木は第1セットの序盤、徹底してネットに出て、ほとんど打ち合いに持ち込ませなかった。第3ゲームの杉田のサーブ。鈴木は15−15から執拗にネットについて杉田のミスショットを誘うと、最後はバックボレーを決めてこのゲームをブレーク。「ここでの経験と自分のスタイルを合わせれば、このコートでは絶対、自分に有利に働くと思っていた」。自信を持って臨んだ鈴木が、先制パンチで流れを手元に引き寄せた。

鈴木はその後も、ベースラインにとどまってラリーをしたかと思うと、突然、リターンを打ち込んだり、ネットに出てきたりと、様々な駆け引きで相手を惑わせて本来のプレーをさせなかった。第2セットも第2ゲームで早々にサーブを破り、一方的なペースで試合を進めたのは、2度準々決勝に進むなどこの大会で世界のトップ選手と渡り合ってきた経験の違いが現れた格好だ。

第2セット、5−3で迎えたサービスゲーム。「今年は出場した試合が少ないので、緊張してしまった」という鈴木が、杉田にブレークバックを許して、タイブレークまで持ち込まれたが、最後はドロップボレーで技を見せて試合を締めたのはベテランたる所以。「今日うれしかったのは、最後に杉田が集中力を高めて向かってきてくれたこと。ガッツを出してやってくれた」。試合後の記者会見で、次代を担う若手の奮闘をたたえたあたりに、日本男子をリードしてきたエースの矜持がうかがわれた。
谷 祐一