2007年10月 6日
男子シングルス決勝は、フェデラー欠場によって急きょ出場が決定し、皆が期待を寄せてきた両選手のカードとなった。ATPランキング8位で第1シードのダビド・フェレール(スペイン)と、ランキング14位で第3シードのリシャール・ガスケ(フランス)は、ともに失セットゼロ、しかも互いにまったくスキなしの勝ち上がりだ。
フェレールはこの1週間、磐石の試合を日本のファンに見せつけてきた。全米オープンでの大活躍は、真の実力であったのだ。175センチの小柄な体がコートを俊敏に駆け回り、緻密に相手を追い詰めていく姿は、日本人テニスファンにも大いに親近感が沸き、また若いテニスプレーヤーの目標にもなろう。ATPの公式記録にも明らかな「世界一のリターナー」は、いわば努力型のプレーヤーだ。
ガスケは、10代前半からナダルをも上回る天才少年として世界から注目され、今もその天才的テニスセンスをふんだんに表現しながらプレーする。柔らかい動きと鋭い振り抜きは、世界屈指のアングルショット、信じられないリカバリーショット、そして彼のトレードマークである高い打点からの片手バックハンド強打を生み出し、そのたびに日本の観客はどよめいた。
努力型対天才型の、これまでの対戦は意外に少ない。2004年にシュツットガルト(クレー)でフェレールがストレートで勝っているだけで、この決勝を占うにはまったく参考にならない。好対照の両選手が織りなす勝負の妙味、ぜひ有明で堪能してもらいたい。
男子ダブルスは、ダンセビッチ(カナダ)/フース(豪州)と、カー(豪州)/リンドステット(スウェーデン)の決勝となった。ノーアド、第3セット10ポイントタイブレークは、試合の展開をさらにスピードアップさせた。Iフォーメーションや派手なポーチに目が行きがちだが、セカンドサーブ、ローボレーなどビハインドのていねいなショットにこそ、プロのすごさを見てほしい。女子ダブルス決勝は、第1シード対第2シード、そして全員がアジアにルーツを持つ選手の対戦となった。荘(中国台北)/キング(米国)対孫/晏(中国)という実力者の激突だ。
広報委員・フリーライター 倉沢 鉄也