2007年10月 6日
ガスケが持ち味である多面体の魅力を存分に発揮した。堅実さと意外性。強さと柔らかさ。軽やかなフットワークと強烈なサーブ。カラフルなガスケのプレーが、第2シード、ベルディハのスピードを上回った。
第1セットはサービスキープの展開。互いに凡ミスがなく、引き締まった試合となった。しかし、5−5で迎えた第11ゲームで、とうとう均衡が崩れた。0−40のピンチを迎えたベルディハ。攻めてブレークポイントを2本しのいだが、最後はフォアハンドのミスでサービスを落とす。
ブレークダウンで後のないベルディハは、開き直ったようなハードヒットで反撃し、ブレークバックで6−6とする。決着はタイブレークへ。ガスケの安定感はセット序盤から変わらず、つまらないミスがない。一方のベルディハは、セット終盤のオーバーペースの影響か、プレーがやや粗くなった。その差が出て、タイブレークは7−3でガスケ。
第2セットは立ち上がりのガスケのサービスゲームがヤマだった。ベルディハにブレークポイントが2本あった。しかし、ガスケは強烈なサービスに柔らかいドロップショットをまじえ、ピンチをしのぐ。このサービスキープでガスケはさらに流れを引き寄せた。アングルショットにダウン・ザ・ライン、強烈なサーブを打ち込んだかと思えば、柔らかいドロップショットで味付けを変え、かさにかかって攻めていく。2−1からの第4ゲームでブレークに成功したガスケ。あとは、流れのままにハンドルを握るだけだった。
コート上での勝利者インタビューでは「トーマスの出来がよかったので、最高のプレーをしなければ勝つのは難しかった。僕もベストのプレーができたと思う」とガスケ。ベルディハ対策の戦術は、特になかった。堅実さと自在さを併せ持つ自分のゲームを披露して、フランスの天才は決勝に駒を進めた。タイトルを争う相手は、第1シードのフェレールだ。「彼はベストプレーヤーの一人。ランキングも上だし、彼の優位は間違いない」と相手を持ち上げるガスケだが、「僕には失うものはない。先週も優勝しているし、このサーフェスも気に入っている。あとはベストを尽くすだけだよ」と不適に笑った。
広報委員・フリーライター 秋山 英宏