2007年10月 6日
第1シード、フェレール対第7シード、カロビッチ。それは単に世界ランキング8位対30位の対決ではない。ATPが発表するツアー記録で、サービスゲーム部門の各項目で圧倒的なトップにいるのがカロビッチ、リターンゲーム部門の圧倒的なトップにいるのがフェレールなのだ。フェデラーもナダルも及ばない、世界一の“キープ男”と“ブレーク男”。有明コロシアムの観客、日本のファン、そして世界のテニスマニア注目の対決となった。
第1セット、互いの持ち味を生かして、サービスキープが続く。カロビッチのビッグサーブが決まると、1万人の観客からどよめきが上がる。フェレールは軽快に走ってカロビッチを左右に振り回す。5−5からの第11ゲーム、カロビッチのサービスをついにフェレールが返しはじめた。もつれたこのゲームはカロビッチも開き直って世界一の「ブレークポイントセーブ」を見せつけ、タイブレークへ。
フェレールのブロックリターンがカロビッチの足元を襲う。1ミニブレークリードした5−2からのポイント、フェレールの素晴らしいランニングパスがカロビッチのボレーを弾き飛ばし、そのまま7−3でフェレールが第1セットを先取。その勢いを保ち、第2セット第2ゲームで「世界一のキープ率」を誇るカロビッチのサービスを「世界一のブレーク率」を誇るフェレールがついにブレーク。フェレールは試合を通じてブレークポイントを一度も与えず、最後は6−3で締めくくった。
「たったワンブレークだけだよ。カロビッチといいロペスといい、ビックサーバー相手の試合は難しい。大切なポイントをなかなかとらせてもらえないんだ」とフェレールはとつとつとした英語で語った。「決勝戦はここまでの試合と違って、たくさん走ることになる。やってみなければわからない。ファイトの姿勢を保って、集中して戦うだけ」という謙虚な姿勢に、まったく隙は見当たらない。
広報委員・フリーライター 倉沢 鉄也