予選第2日も雨の1日となった。一部の試合は荏原湘南スポーツセンターに会場を移して行われた。日本勢は、第4シードの本村剛一が杉田祐一をストレートで破り、予選決勝に進出。新鋭伊藤竜馬は韓国の南賢祐に敗れた。女子では、高雄恵利加と米村知子が予選3回戦に進出。両選手は本戦入りを懸けて月曜日に対決する。第6シードの波形純理は予選1回戦を突破した。また、この日は大会初の試みとして「前夜祭」が行われ、17歳のホープ錦織圭や、車いすテニスで史上初の年間グランドスラムを達成した国枝慎吾の強烈なショットに観客は大きな拍手を送った。
雨の有明コロシアムに3000人のテニスファンが集まった。「AIGオープン2007前夜祭」。開幕前日に大会の上位シード選手や地元日本のトップ選手がファンのために公開練習を行うという、大会初の試みだ。イベントは3部構成。まずは、今大会の第1シードで世界ランク9位のダビド・フェレールと、本戦開幕と同じ10月1日付でプロに転向する期待の17歳・錦織圭の公開練習。この大会がプロデビュー戦となる錦織の注目度は高く、新聞、雑誌、テレビ各社のカメラもそのプレーを見守った。
しかし、錦織はそんな環境にもまったく臆することなく、堂々とフェレールと打ち合う。アメリカ仕込みの力強いショットとときおり見せる少年の笑顔に、観客からはため息がもれた。その歓声に応えるかのように、練習の後半は両選手による4ゲームマッチに。試合はフェレーロが貫録勝ちしたが、錦織の豪快なフォアハンドは、ファンの目に強烈に焼きついたに違いない。
第2部は、車いすテニスで史上初の年間グランドスラムを達成した国枝慎吾と、世界ランク5位の斎田悟司によるエキシビションマッチ。両選手は巧みな車いす操作でコートを駆け、1球を打つごとに素早く体勢を立て直し、力強くショットを打ち合う。今日初めて車いすテニスを見たという観客の一人は「ストロークだけではなく、ネットプレーも上手でとても驚いた」と興奮気味に話していた。1セットマッチで行われた試合は、タイブレークで国枝の勝利。試合後、国枝は「車いすテニスは、国内外問わず観客は多くて300人程度。今日は大勢のファンの前でプレーできてとても幸せ」と語った。
最後は、日本が誇る男女トップ選手、鈴木貴男、添田豪、森上亜希子、中村藍子とイタリアのシモーネ・ボレリによる公開練習。試合を間近に控えた選手たちの最後の調整とあって、その緊張感がコートサイドにも伝わってきた。
王者ロジャー・フェデラーの開幕直前の欠場で、イベントの盛り上がりが心配されたが、会場は大盛況。前夜祭は、明日からの大会開幕に弾みをつける”熱い夜”になった。